道府県が課す税である
不動産取得税は、不動産所在の道府県において課する(地方税法第73条の2第1項)。
市町村税ではない。 固定資産税が市町村税である(地方税法第342条第1項)のと対照的である。固定資産税・都市計画税を参照。
何が「取得」に当たるか
不動産取得税は、不動産の取得に対し、その不動産所在の道府県において課する(地方税法第73条の2第1項)。
家屋を建築した場合も取得である(同項)。新築・増築・改築のいずれも含む。売買に限られない。
登記の有無は要件でない。 第73条の2第1項は「不動産の取得」としか書いていない。
非課税が2種類ある
| 種類 | 中身 | 条番号 |
|---|---|---|
| 用途による非課税 | 国・地方公共団体、宗教法人・学校法人が一定の用途に供する不動産 | 地方税法第73条の3・第73条の4 |
| 形式的な所有権の移転等 | 相続、法人の合併、共有物の分割、信託財産の移転など | 地方税法第73条の7 |
相続は第73条の7の側にある。 「取得」に当たらないのではなく、取得に当たるが非課税である。
贈与は非課税ではない。 相続と贈与でここが分かれる。贈与税の額を参照。
課税標準は固定資産課税台帳の価格
不動産取得税の課税標準は、不動産を取得した時における不動産の価格である(地方税法第73条の13第1項)。
価格は固定資産課税台帳に登録された価格による(地方税法第73条の21第1項)。取得した金額ではない。 売買価額と課税標準は一致しない。道府県が独自に評価するのではなく、市町村の台帳を使う。
台帳に登録されていない不動産は、道府県知事が固定資産評価基準によって決定する(地方税法第73条の21第2項)。
固定資産税・都市計画税を参照。
標準税率は100分の4
不動産取得税の標準税率は、100分の4とする(地方税法第73条の15)。
条文はこれだけである。 住宅と住宅用土地の税率を100分の3にする特例と、宅地の課税標準を2分の1にする特例は、地方税法の本則には書かれていない。地方税法附則にある。
「標準税率」なので、条例で異なる税率を定めることができる(地方税法第1条第1項第5号)。
この計算は本則の標準税率だけを出している。実際の税額は、その不動産が特例の対象かどうかで変わる。
新築住宅の1,200万円は課税標準から引く
住宅の建築をした場合、1戸について1,200万円を価格から控除する(地方税法第73条の14第1項)。
税額から引くのではない。価格(課税標準)から引く。
新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入も含む(同項かっこ書き)。ただし政令で定めるものに限る(同項かっこ書き)。すべての新築住宅に1,200万円が当たるわけではない。 床面積などの要件が政令にある。
共同住宅等は、居住の用に供するために独立的に区画された1の部分で政令で定めるものごとに1戸と数える(同項かっこ書き)。10戸のアパートなら1億2,000万円を控除できる(地方税法第73条の14第1項)。建物全体で1,200万円ではない。
1年以内に増築した場合
共同住宅等以外の住宅を建築した者が、建築後1年以内に一構となるべき住宅を新築し、または増築した場合には、前後の住宅の建築をもって1戸の住宅の建築とみなす(地方税法第73条の14第2項)。
2回控除できるわけではない(地方税法第73条の14第2項)。1戸とみなして1,200万円である(同条第1項)。
既存住宅の控除額は新築された年で変わる
個人が自己の居住の用に供する耐震基準適合既存住宅を取得した場合の控除は、地方税法第73条の14第3項にある。
控除額は新築された時期によって変わる(地方税法第73条の14第3項)。1,200万円(同条第1項)ではない。この道具は新築の側だけを扱っている。
免税点は3つに分かれる
| 何 | 免税点 | 条番号 |
|---|---|---|
| 土地 | 10万円 | 地方税法第73条の15の2第1項 |
| 家屋の建築 | 23万円 | 同項 |
| その他の家屋の取得 | 12万円 | 同項 |
課税標準となるべき額がこれらに満たない場合には課さない(地方税法第73条の15の2第1項)。
家屋は建築と取得で額が違う(地方税法第73条の15の2第1項)。建てた場合は23万円、買った場合は12万円である(同項)。
徴収は普通徴収
不動産取得税の徴収については、普通徴収の方法によらなければならない(地方税法第73条の17第1項)。
納税通知書が来てから納める。 申告納付ではない。
端数の扱い
| 何を | どうする | 条番号 |
|---|---|---|
| 課税標準 | 1,000円未満切捨て | 地方税法第20条の4の2第1項 |
| 税額 | 100円未満切捨て | 地方税法第20条の4の2第3項 |
よくある取り違え
1. 「税率は3%」
本則は100分の4である(地方税法第73条の15)。3%の特例は地方税法附則にある。
2. 「課税標準は買った金額」
固定資産課税台帳に登録された価格である(地方税法第73条の21第1項)。
3. 「1,200万円は税額から引く」
価格から引く(地方税法第73条の14第1項)。
4. 「中古住宅でも1,200万円」
既存住宅の控除は第3項で、新築された時期によって変わる(地方税法第73条の14第3項)。
5. 「相続でも課税される」
非課税である(地方税法第73条の7第1号)。
6. 「贈与も非課税」
課税される。 地方税法第73条の7に贈与は挙げられていない。
7. 「免税点は一律」
土地10万円、家屋の建築23万円、その他の家屋の取得12万円である(地方税法第73条の15の2第1項)。
8. 「登記しなければ課税されない」
登記は要件でない(地方税法第73条の2第1項)。
よくある質問
誰が納めますか
不動産を取得した者である(地方税法第73条の2第1項)。
いつ納めますか
地方税法第73条の17に徴収の定めがある。 普通徴収である。
申告は必要ですか
地方税法第73条の18に申告または報告の定めがある。
100分の3の特例はどこにありますか
地方税法附則にある。 本則の標準税率は100分の4である(地方税法第73条の15)。
住宅用土地の減額はありますか
地方税法第73条の24にある。 一定の住宅用土地について税額から減額する。この道具は扱っていない。
中古住宅の控除額は
地方税法第73条の14第3項にある。 新築された時期によって額が変わる。
交換で取得した場合は
地方税法第73条の2第1項の「取得」に当たるかによる。
分割で取得した場合は
共有物の分割による取得は非課税である(地方税法第73条の7第2号の3)。ただし持分を超える部分は課税される。
未登記でも課税されますか
第73条の2第1項は「不動産の取得」と書いている。 登記の有無を要件にしていない。
登録免許税とは別ですか
別である。 登録免許税は国税で、登録免許税法による。登録免許税(不動産の登記)を参照。
固定資産税とどう違いますか
不動産取得税は取得したときに1回、固定資産税は毎年である。固定資産税・都市計画税を参照。
この計算が扱っていないこと
- 住宅・住宅用土地の100分の3の特例(地方税法附則)
- 既存住宅の控除額(地方税法第73条の14第3項)。新築された年によって変わる
- 住宅用土地の減額(地方税法第73条の24)
- 免税点(地方税法第73条の15の2)
- 非課税(地方税法第73条の3・第73条の4・第73条の7)
固定資産税は固定資産税・都市計画税にある。数字をどう確かめたかは検算の方法にある。