けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

相続税の基礎控除と総額の計算

相続税の基礎控除とは、相続税の総額を計算する際に、課税価格の合計額から差し引く額で、法定相続人の数に応じて決まるものである(相続税法第15条第1項・第2項/第16条/民法第890条・第900条)。

基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です(相続税法第15条第1項)。総額は、法定相続分で分けたものとして第16条の表を当てて足します。

計算する

相続や遺贈で財産を取得した全員分を合計した額(相続税法第15条第1項)
配偶者は常に相続人になる(民法第890条)。子・直系尊属・兄弟姉妹の順で決まる
子・直系尊属・兄弟姉妹の人数。相続を放棄した人も数に入れる(相続税法第15条第2項)
実子がいれば1人、いなければ2人までしか数に入らない(相続税法第15条第2項)

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

課税価格の合計額 100,000,000円/相続人の組み合わせ 配偶者と子/配偶者以外の相続人の数 2人/うち養子の数 0人

項目金額条番号
遺産に係る基礎控除額(法定相続人 3人)48,000,000円相続税法第15条第1項(30,000,000円 + 6,000,000円 × 3人)
課税遺産総額52,000,000円相続税法第15条第1項
配偶者の法定相続分(1/2)による取得金額26,000,000円民法第900条第1号
配偶者のぶんの税額3,400,000円相続税法第16条
子(1人目)の法定相続分(1/4)による取得金額13,000,000円民法第900条第1号
子(1人目)のぶんの税額1,450,000円相続税法第16条
子(2人目)の法定相続分(1/4)による取得金額13,000,000円民法第900条第1号
子(2人目)のぶんの税額1,450,000円相続税法第16条
相続税の総額6,300,000円相続税法第16条
  • 相続人の組み合わせは「配偶者と子」(民法第900条第1号)
  • 出しているのは総額までである。各人が納める額は、実際に取得した割合で分けたあと、配偶者の税額軽減などを当てて決まる。この道具は扱っていない
  • 法定相続分に応じた各取得金額の千円未満を切り捨てる扱いは法令に書かれていないので、この道具は切り捨てていない
条番号
相続税法第15条第1項・第2項/第16条民法第890条第900条
適用
相続税法第15条第1項。同一の被相続人から相続または遺贈で財産を取得した者
出どころ
相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)
適用年度
相続税法 2026-04-01 施行(改正版 325AC0000000073_20260401_506AC0000000008)
出どころ
民法(明治二十九年法律第八十九号)
適用年度
民法 2026-06-24 施行(改正版 129AC0000000089_20260624_508AC0000000045)
取得日
2026-08-31

どこまでを計算しているか

ここで出すのは相続税の総額までである。各人が実際に納める額(相続税の総額を実際の取得割合で分ける計算)、配偶者の税額軽減(相続税法第19条の2)、未成年者控除(同法第19条の3)、障害者控除(同法第19条の4)、相続開始前の贈与の加算(同法第19条)、2割加算(同法第18条)は扱っていない。代襲相続(民法第901条)と、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分の半減(同法第900条第4号ただし書)も扱っていない。課税価格の合計額は、入れた額をそのまま使う。なお、法定相続分に応じた各取得金額の千円未満を切り捨てる扱いは法令に書かれていないので、この道具は切り捨てていない。

条文

相続税法(2026-04-01 施行)/民法(2026-06-24 施行)から取りました。1431字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。

相続税法第15条第1項・第2項/第16条/民法第890条・第900条 を開く

(遺産に係る基礎控除)第十五条相続税の総額を計算する場合においては、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格(第十九条の規定の適用がある場合には、同条の規定により相続税の課税価格とみなされた金額。次条から第十八条まで及び第十九条の二において同じ。)の合計額から、三千万円と六百万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額(以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。2前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第五編第二章(相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子がある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする。)とする。一当該被相続人に実子がある場合又は当該被相続人に実子がなく、養子の数が一人である場合一人二当該被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合二人3前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。一民法第八百十七条の二第一項(特別養子縁組の成立)に規定する特別養子縁組による養子となつた者、当該被相続人の配偶者の実子で当該被相続人の養子となつた者その他これらに準ずる者として政令で定める者二実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため民法第五編第二章の規定による相続人(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)となつたその者の直系卑属 (相続税の総額)第十六条相続税の総額は、同一の被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格に相当する金額の合計額からその遺産に係る基礎控除額を控除した残額を当該被相続人の前条第二項に規定する相続人の数に応じた相続人が民法第九百条(法定相続分)及び第九百一条(代襲相続人の相続分)の規定による相続分に応じて取得したものとした場合におけるその各取得金額(当該相続人が、一人である場合又はない場合には、当該控除した残額)につきそれぞれその金額を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じて計算した金額を合計した金額とする。千万円以下の金額百分の十千万円を超え三千万円以下の金額百分の十五三千万円を超え五千万円以下の金額百分の二十五千万円を超え一億円以下の金額百分の三十一億円を超え二億円以下の金額百分の四十二億円を超え三億円以下の金額百分の四十五三億円を超え六億円以下の金額百分の五十六億円を超える金額百分の五十五 (法定相続分)第九百条同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。一子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。二配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。三配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。四子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。

相続税の総額は、課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を引き、残りを法定相続分で分けたものとして税率の表を当て、それを合計して求める(相続税法第16条)。

実際に誰がいくら取得したかは、総額の計算には関係しない。 法定相続分で分けたものとして計算する(相続税法第16条)。

基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数

第15条第1項は「三千万円と六百万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額」と書いている(相続税法第15条第1項)。

課税価格の合計額がこの額以下なら、課税遺産総額は0になり、相続税はかからない(相続税法第15条第1項)。

法定相続人の数は、放棄があっても減らない

第15条第2項は「相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする」と書いている(相続税法第15条第2項)。

放棄した人も数に入れる。 この道具に入れる人数も、放棄がなかったものとした人数である。

養子は数に上限がある

同じ第15条第2項が、相続人の数に算入する養子の数に上限を置いている(相続税法第15条第2項)。

場合数に入る養子条番号
実子がいる場合、または実子がなく養子が1人の場合1人相続税法第15条第2項第1号
実子がなく、養子が2人以上の場合2人同項第2号

特別養子縁組による養子、配偶者の実子で養子になった者などは実子とみなされる(相続税法第15条第3項第1号)。この道具は、入れた養子の数をそのまま養子として扱う。

法定相続分は民法にある

配偶者は常に相続人になる(民法第890条)。誰と一緒に相続人になるかで相続分が変わる。

相続人配偶者もう一方条番号
配偶者と子2分の12分の1民法第900条第1号
配偶者と直系尊属3分の23分の1同条第2号
配偶者と兄弟姉妹4分の34分の1同条第3号

子・直系尊属・兄弟姉妹が数人いるときは、そのぶんを等分する(民法第900条第4号)。

子がいなければ直系尊属、直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になる(民法第889条第1項)。

税率の表は8段ある

法定相続分に応ずる取得金額税率条番号
1,000万円以下10%相続税法第16条
1,000万円超 3,000万円以下15%同条
3,000万円超 5,000万円以下20%同条
5,000万円超 1億円以下30%同条
1億円超 2億円以下40%同条
2億円超 3億円以下45%同条
3億円超 6億円以下50%同条
6億円超55%同条

この道具は速算表の控除額を使っていない。 条文の表どおりに段ごとに掛けて足している。同じ作りは所得税の税率でもしている。

千円未満の切捨てをしていない

国税庁の申告書では、法定相続分に応じた各取得金額の千円未満を切り捨てる。この扱いは法令に書かれていない。

国税通則法第118条第1項が定めているのは国税の課税標準の千円未満切捨てであって、第16条の各取得金額のことではない(国税通則法第118条第1項)。条番号を書けないので、この道具は切り捨てていない。

そのため、相続分が2分の1や4分の1のように割り切れない場合、申告書の数字と数百円ずれることがある。

この計算が扱っていないこと

出しているのは相続税の総額までである。 各人が実際に納める額は、総額を実際に取得した割合で分けたあと、次のものを当てて決まる。この道具はどれも扱っていない。

  • 配偶者の税額軽減(相続税法第19条の2)
  • 未成年者控除(相続税法第19条の3)、障害者控除(相続税法第19条の4)
  • 相続開始前に受けた贈与の加算(相続税法第19条)
  • 一親等の血族と配偶者以外の者の2割加算(相続税法第18条)

代襲相続を扱っていない(民法第901条)。父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分が半分になる扱いも出していない(民法第900条第4号ただし書)。

課税価格そのものを下げる特例を扱っていない。 小規模宅地等の特例(租税特別措置法第69条の4)などである。入れた課税価格をそのまま使う。

数字をどう確かめたかは検算の方法に、いつの条文で計算しているかはいつの条文で計算するかに書いてある。相続で取得した財産を売ったときの譲渡所得(総合課税)は別のページにある。

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同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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