業務上の負傷・疾病が治ったあとに障害が残った場合、障害補償給付が支給される(労働者災害補償保険法第15条)。
第1級から第7級までは年金、第8級から第14級までは一時金である(労働者災害補償保険法第15条)。額は別表第一と別表第二に「給付基礎日額の◯日分」として書かれている(同条)。
年金と一時金は、別の別表にある
障害補償給付は、厚生労働省令で定める障害等級に応じ、障害補償年金または障害補償一時金とする(労働者災害補償保険法第15条)。
| 給付 | 額の根拠 | 単位 | 条番号 |
|---|---|---|---|
| 障害補償年金(第1級〜第7級) | 別表第一 | 給付基礎日額の年金の日数 | 労働者災害補償保険法第15条・別表第一 |
| 障害補償一時金(第8級〜第14級) | 別表第二 | 給付基礎日額の一時金の日数 | 同条・別表第二 |
等級ごとの日数
| 等級 | 給付 | 日数 | 条番号 |
|---|---|---|---|
| 第1級 | 年金 | 313日分 | 労働者災害補償保険法別表第一 |
| 第2級 | 年金 | 277日分 | 同表 |
| 第3級 | 年金 | 245日分 | 同表 |
| 第4級 | 年金 | 213日分 | 同表 |
| 第5級 | 年金 | 184日分 | 同表 |
| 第6級 | 年金 | 156日分 | 同表 |
| 第7級 | 年金 | 131日分 | 同表 |
| 第8級 | 一時金 | 503日分 | 労働者災害補償保険法別表第二 |
| 第9級 | 一時金 | 391日分 | 同表 |
| 第10級 | 一時金 | 302日分 | 同表 |
| 第11級 | 一時金 | 223日分 | 同表 |
| 第12級 | 一時金 | 156日分 | 同表 |
| 第13級 | 一時金 | 101日分 | 同表 |
| 第14級 | 一時金 | 56日分 | 同表 |
この道具は表を書き写していない。 別表第一と別表第二から機械で読んでいる。
日数の大小を、年金と一時金で比べてはいけない
第7級(年金)は131日、第8級(一時金)は503日である。 数字だけを見ると第8級のほうが大きいが、単位が違う(労働者災害補償保険法別表第一・別表第二)。
年金は毎年その日数分が支給される。一時金は1回だけである(労働者災害補償保険法第15条)。級が下がるほど障害が軽いので、年金から一時金に切り替わる境目で数字が逆転して見える。
この見え方は、検算の途中で実際に誤って「第7級より第8級のほうが多い」と判定したことがある。 単位の違う数を比べていた。
障害等級は省令にある
第15条は「厚生労働省令で定める障害等級」と書いている。 等級そのものは労働者災害補償保険法施行規則にあり、法律の本文には無い。
この道具は等級を入れてもらう形にしている。判定はしていない。
特別支給金は法律に無い
障害特別支給金・障害特別年金・障害特別一時金は、労働者災害補償保険法には書かれていない。 労働者災害補償保険特別支給金支給規則第4条・労働者災害補償保険特別支給金支給規則第7条・労働者災害補償保険特別支給金支給規則第8条にある。
保険給付と特別支給金は根拠が別である。 休業補償給付でも同じ形になっている。労災の休業補償給付を参照。
業務災害の保険給付は7つ
労働者災害補償保険法第12条の8第1項が並べている。
| 号 | 給付 |
|---|---|
| 第1号 | 療養補償給付 |
| 第2号 | 休業補償給付 |
| 第3号 | 障害補償給付 |
| 第4号 | 遺族補償給付 |
| 第5号 | 葬祭料 |
| 第6号 | 傷病補償年金 |
| 第7号 | 介護補償給付 |
傷病補償年金は、療養の開始後1年6か月を経過した日において治っておらず、傷病等級に該当するときに支給する(労働者災害補償保険法第12条の8第3項)。障害補償給付とは別の給付である。
課税されない
租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない(労働者災害補償保険法第12条の6)。
よくある取り違え
1. 「第8級のほうが第7級より多い」
単位が違う(労働者災害補償保険法別表第一・別表第二)。第7級は年金の日数、第8級は一時金の日数である。
2. 「障害等級は法律に書いてある」
厚生労働省令である(労働者災害補償保険法第15条)。
3. 「特別支給金も労災保険法にある」
無い。 労働者災害補償保険特別支給金支給規則にある。
4. 「障害補償給付に所得税がかかる」
かからない(労働者災害補償保険法第12条の6)。
5. 「傷病補償年金は障害補償年金と同じ」
別の給付である(労働者災害補償保険法第12条の8第1項第3号・第6号)。傷病補償年金は療養開始後1年6か月の要件がある(同条第3項)。
よくある質問
給付基礎日額とは何ですか
労働者災害補償保険法第8条に定めがある。 労働基準法第12条の平均賃金に相当する額である。平均賃金・休業手当・解雇予告手当を参照。
通勤災害でも同じですか
通勤災害の給付は労働者災害補償保険法第21条以下にある。 名前が「障害給付」になり「補償」が付かない。額は同じである。 労働者災害補償保険法第22条の3第2項が第15条を準用している。この道具は業務災害の側を扱っている。
複数の障害がある場合は
併合の扱いは労働者災害補償保険法施行規則にある。 法律の本文には無い。
障害厚生年金と両方受けられますか
併給の調整がある(労働者災害補償保険法別表第一の第1号から第3号までの政令で定める率)。
年金はいつまで支給されますか
労働者災害補償保険法第15条の2以下に定めがある。
症状が変わったら
変更の扱いは労働者災害補償保険法第15条の2にある。
この計算が扱っていないこと
- 障害等級の判定(労働者災害補償保険法施行規則)。利用者が等級を選ぶ
- 給付基礎日額そのもの(労働者災害補償保険法第8条第1項)。労働基準法第12条の平均賃金に相当する額である
- 特別支給金(労働者災害補償保険特別支給金支給規則第4条・第7条・第8条)
- 通勤災害の障害給付(労働者災害補償保険法第21条以下・第22条の3第2項)
- 厚生年金保険法・国民年金法の年金との併給の調整(労働者災害補償保険法別表第一の第1号から第3号まで)。政令で定める率によるためである
休業中の労災の休業補償給付は別のページにある。平均賃金そのものは平均賃金・休業手当・解雇予告手当で計算できる。数字をどう確かめたかは検算の方法に書いてある。