けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

時間外・休日・深夜の割増賃金

割増賃金とは、使用者が労働時間を延長し、休日または深夜に労働させた場合に、通常の賃金の計算額に率を乗じて支払わなければならない賃金である(労働基準法第37条/労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。

率は法だけでは決まりません。時間外と休日は政令が定めています。どちらから来る率かを分けて出します。

計算する

家族手当・通勤手当などは含めない(労働基準法第37条第5項)
時間
時間
時間午後10時から午前5時まで(労働基準法第37条第4項)

計算例

下の例はこの画面の計算そのもので出しています。 入力を変えると同じ形で計算します。どの行がどの条文から来たかを、行ごとに出しています。

既定の入力

1時間あたりの賃金 2,000円/時間外労働(1か月) 80時間/休日労働 0時間/深夜労働 0時間

項目金額条番号
時間外労働(月60時間まで) 60時間30,000円労働基準法第37条第1項/労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(平成6年政令第5号)(法は2割5分以上5割以下の範囲内で政令で定める率以上と定め、政令が2割5分としている)
時間外労働(月60時間を超える部分) 20時間20,000円労働基準法第37条第1項ただし書(法が直接5割以上と定めている)
通常の労働時間・労働日の賃金の計算額160,000円労働基準法第37条第1項(割増賃金の基礎になる額)
割増賃金と通常の賃金の合計210,000円労働基準法第37条(時間外のうち 20時間が月60時間を超える部分(同項ただし書))
  • 割増賃金だけの合計は 50,000円
  • 円未満は切り捨てている。労働基準法第37条に端数の定めは無い
条番号
労働基準法第37条労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令
適用
労働基準法第37条。時間外・休日・深夜の割増賃金
出どころ
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
適用年度
労働基準法 2026-07-17 施行(改正版 322AC0000000049_20260717_508AC0000000060)
出どころ
労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(平成六年政令第五号)
適用年度
労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令 2001-01-06 施行(改正版 406CO0000000005_20010106_412CO0000000309)
取得日
2026-08-31

条文

労働基準法(2026-07-17 施行)/労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(2001-01-06 施行)から取りました。835字。

この計算が使う条文は、2024年4月1日時点と1字も違いません。 比べたのは条文の文字だけです。答えが同じことまでは確かめていません(比べ方)。

労働基準法第37条/労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令 を開く

(時間外、休日及び深夜の割増賃金)第三十七条使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。前項の政令は、労働者の福祉、時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第一項ただし書の規定により割増賃金を支払うべき労働者に対して、当該割増賃金の支払に代えて、通常の労働時間の賃金が支払われる休暇(第三十九条の規定による有給休暇を除く。)を厚生労働省令で定めるところにより与えることを定めた場合において、当該労働者が当該休暇を取得したときは、当該労働者の同項ただし書に規定する時間を超えた時間の労働のうち当該取得した休暇に対応するものとして厚生労働省令で定める時間の労働については、同項ただし書の規定による割増賃金を支払うことを要しない。使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

使用者が労働時間を延長し、または休日に労働させた場合、その時間または日の労働については割増賃金を支払わなければならない。額は、通常の労働時間または労働日の賃金の計算額に一定の率を掛けて求める(労働基準法第37条第1項)。

率は法だけでは決まらない

労働基準法第37条第1項は「二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率」と書いている。法律は幅しか決めていない。 実際の率は「労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令」にある。

区分どこから来る率か
時間外労働(1か月60時間まで)2割5分労働基準法第37条第1項の委任を受けた政令(平成6年政令第5号)
時間外労働(1か月60時間を超える部分)5割労働基準法第37条第1項ただし書。法が直接定めている
休日労働3割5分同じ政令
深夜労働2割5分労働基準法第37条第4項。法が直接定めている

時間外の2割5分と休日の3割5分は、労働基準法の条文には書かれていない。 政令の本文が「延長した労働時間の労働については二割五分とし、これらの規定により労働させた休日の労働については三割五分とする」と定めている。

この道具は政令から率を取り出している。 書き写していない。

1か月60時間を超える部分は、法律が5割以上と直接書いている

1か月について60時間を超えた時間の労働については、5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない(労働基準法第37条第1項ただし書)。

ここだけは政令を経由しない。法律が直接「五割以上」と書いている(労働基準法第37条第1項ただし書)。本則が政令に委ねているのと対照的である。

60時間ちょうどまでは2割5分、超えた部分だけが5割になる。 60時間を超えた瞬間に全体が5割になるのではない(労働基準法第37条第1項ただし書)。

深夜は第4項にあり、時刻で決まる

午後10時から午前5時までの間に労働させた場合は、その時間の労働について2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない(労働基準法第37条第4項)。厚生労働大臣が必要と認める場合は、その定める地域または期間について午後11時から午前6時までとなる(同項かっこ書き)。

深夜は第4項で、時間外・休日の第1項とは別である。 そのため時間外と深夜が重なれば、両方の割増しが要る(労働基準法第37条第1項・第4項)。

重なった場合の計算の方法は、労働基準法第37条には書かれていない。労働基準法施行規則にある。この道具は、時間外・休日・深夜をそれぞれ別に入れる形にしている。

代替休暇で、60時間超の割増しを払わなくてよい場合がある

労使協定により、60時間超の割増賃金の支払に代えて有給の休暇を与えることを定め、労働者がその休暇を取得したときは、その分の割増賃金を支払うことを要しない(労働基準法第37条第3項)。

第39条の年次有給休暇は除かれる(同項かっこ書き)。年次有給休暇の日数を参照。

この道具の計算には入れていない(労働基準法第37条第3項)。

基礎になる賃金から算入しない賃金がある

家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は、割増賃金の基礎となる賃金に算入しない(労働基準法第37条第5項)。何が除かれるかは労働基準法施行規則にある。

この道具は、算入しない賃金を除いた後の時間あたりの賃金を入れてもらう形にしている(労働基準法第37条第5項)。

よくある取り違え

1. 「時間外は1.25倍と労働基準法に書いてある」

「二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率」である(労働基準法第37条第1項)。率そのものは政令にある。

2. 「60時間超の5割も政令で決まる」

法律が直接書いている(労働基準法第37条第1項ただし書)。

3. 「深夜も第1項に書いてある」

第4項である(労働基準法第37条第4項)。

4. 「時間外と深夜は重ならない」

重なる。 第1項と第4項は別の条項で、それぞれ支払義務がある(労働基準法第37条第1項・第4項)。

5. 「家族手当も割増しの基礎に入る」

入らない(労働基準法第37条第5項)。

よくある質問

管理監督者にも割増賃金は要りますか

労働基準法第41条第2号に適用除外の定めがある。 ただし深夜の割増賃金(第37条第4項)は除外されない。

休日労働と時間外は重なりますか

休日労働は第33条または第36条第1項による労働で、時間外とは区分される(労働基準法第37条第1項)。

割増賃金の基礎はどう出しますか

通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額である(労働基準法第37条第1項)。計算の方法は労働基準法施行規則第19条にある。

端数の処理はできますか

労働基準法第37条には端数の定めが無い。

代替休暇はどれくらいですか

厚生労働省令で定める時間である(労働基準法第37条第3項)。

平均賃金とは違いますか

違う。 平均賃金は労働基準法第12条で、休業手当や解雇予告手当の基礎になる。平均賃金・休業手当・解雇予告手当を参照。

この計算が扱っていないこと

  • 算入しない賃金の判定(労働基準法第37条第5項と厚生労働省令)
  • 代替休暇(労働基準法第37条第3項)
  • 管理監督者などの適用除外(労働基準法第41条)
  • 時間外と深夜が重なった場合の計算の方法(労働基準法施行規則)
  • 通常の労働時間の賃金の計算額の出し方(労働基準法施行規則第19条)

関連する計算

同じ束のものと、同じ法令によるものを並べています。

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