内国法人である普通法人の各事業年度の所得に対する法人税は、所得の金額に23.2%を掛けて計算する(法人税法第66条第1項)。
中小法人には軽減税率がある。 ただし、実際に使う率は法人税法には書かれていない。
15%は租税特別措置法にある
法人税法第66条第2項は、資本金1億円以下の普通法人などの年800万円以下の部分について「百分の十九の税率による」と書いている(法人税法第66条第2項)。19%である。
租税特別措置法第42条の3の2第1項が、この19%を15%に読み替えている(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)。同じ表の第四欄には「所得の金額が年十億円を超える事業年度については、百分の十七」とも書いてある(同号)。
| 場合 | 税率 | 条番号 |
|---|---|---|
| 原則(所得の全額) | 23.2% | 法人税法第66条第1項 |
| 資本金1億円以下の年800万円以下の部分(本則) | 19% | 法人税法第66条第2項 |
| 同上(措置法の読み替え) | 15% | 租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号 |
| 同上で所得が年10億円を超える事業年度 | 17% | 同号 |
措置法の読み替えには期限がある。 平成24年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用される(租税特別措置法第42条の3の2第1項)。
10億円を見るのは所得の全体である
第四欄のかっこ書きは「所得の金額が年十億円を超える事業年度については」と書いている(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)。
800万円を超える部分が10億円を超えるか、ではない。 その事業年度の所得の金額そのもので判定する。したがって所得が10億円を超えると、800万円以下の部分の率が15%から17%に上がる(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第一号)。
事業年度が1年に満たないときは月割りする
法人税法第66条第4項は、第2項の「年八百万円」を「八百万円を十二で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額」と読み替えている(法人税法第66条第4項)。
10億円のほうも同じく月割りする(租税特別措置法第42条の3の2第3項)。
途中で丸めるとは書かれていない。 この道具は掛けてから割っているので、端数は出ない(法人税法第66条第4項)。先に12で割ってから月数を掛けると、800万円・12か月でも1円足りなくなる。
軽減税率が使えない中小法人がある
資本金が1億円以下でも、次に当たる法人には法人税法第66条第2項が適用されない(法人税法第66条第5項)。
- 保険業法に規定する相互会社(法人税法第66条第5項第1号)
- 資本金5億円以上の大法人などによる完全支配関係がある普通法人(同項第2号)
- 投資法人・特定目的会社・受託法人(同項第4号から第6号まで)
措置法のほうも、適用除外事業者と通算法人を除いている(租税特別措置法第42条の3の2第1項)。
この道具は、当たるかどうかを判定していない。 入力欄のチェックで選ぶ形にしている。
中小法人の判定は資本金だけではない
法人税法第66条第2項は「普通法人のうち資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下であるもの又は資本若しくは出資を有しないもの」を対象にしている。
ただし第5項が除外を定めている(法人税法第66条第5項)。大法人による完全支配関係がある法人などが除かれる。
資本金1億円以下でも、大法人の子会社は低い税率を使えない(法人税法第66条第5項)。
措置法の率には期間がある
租税特別措置法第42条の3の2第1項は、適用対象となる事業年度を限っている。
法人税法第66条第2項の率は本則で、期間の定めが無い。 措置法の側だけが期間で区切られている。
税額控除は税率を当てた後
法人税額から控除する制度は、法人税法第68条以下にある。
税率(法人税法第66条)を当てて法人税額を出した後の段である。 交際費の損金不算入(租税特別措置法第61条の4)は所得の計算の中で、段が違う。交際費等の損金不算入を参照。
事業年度で判定する
法人税は各事業年度の所得について課する(法人税法第5条)。
資本金の額は、各事業年度終了の時の額で見る(法人税法第66条第2項)。
普通法人以外の税率
法人税法第66条は、普通法人・一般社団法人等・人格のない社団等について税率を定めている。
公益法人等や協同組合等には、法人税法第66条第3項以下に別の率がある。
各事業年度の所得に対して課す
内国法人に対しては、各事業年度の所得について法人税を課する(法人税法第5条)。
事業年度は法人税法第13条第1項による。 会計期間で区切る。
この計算が扱っていないこと
内国法人である普通法人だけを扱っている。 公益法人等・協同組合等・医療法人の率(租税特別措置法第42条の3の2第1項の表の第二号から第四号まで)は出していない。通算法人の軽減対象所得金額(法人税法第66条第6項・第7項)も出していない。
所得の金額そのものを計算していない(法人税法第22条)。入れた金額をそのまま使う。
税額控除を引いていない。 減価償却の計算のように、所得の金額を出すまでに使う道具は別のページにある。
地方法人税・法人住民税・法人事業税を扱っていない。 どれも別の法律にある。個人の所得税の税率も別のページにある。
数字をどう確かめたかは検算の方法に、いつの条文で計算しているかはいつの条文で計算するかに書いてある。