けんざん制度で決まった金額を、条番号つきで計算する

いつの条文で計算するか

e-Gov法令検索の法令APIは、過去の任意の時点で施行されていた条文を返せます。 けんざんはその仕組みを使って、いくつかの道具で時点を選んで計算できます。

どの計算の条文が変わったか(74本ぜんぶ)

26の法令を2024年4月1日時点でも取り、 道具ごとに、使っている条を機械で突き合わせました。人が読み比べていません。 けんざんが根拠に挙げている法令は27あります。 比べていない1件は 「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」で、こちらは別表11本を 4つの時点で照合してすべて一致しています(償却率表)。

比べたのは条文(別表を使う道具は別表)の文字だけです。文字が同じなら条文は同じですが、答えが同じことまでは確かめていません。 たとえば国税通則法第65条は「五」が「十三」になっており、参照先の号が動いただけの可能性があります。

2024年4月1日時点との比べ
状態本数意味
変わった24本その時点から条文(または別表)が変わっている
同じ46本その時点の条文と1字も違わない
この時点に無い1本その時点には条文そのものが無い
比べられない3本別表を過去の時点で取っていないので、比べていない

変わった(24本)

変わったの道具
道具条番号
給与から引かれる所得税所得税法第185条第1項・別表第二/復興財確法第28条第2項・第31条第2項
日ごとに払う給与から引かれる所得税所得税法第185条第1項・別表第三/復興財確法第28条第2項・第31条第2項
賞与から引かれる所得税所得税法第186条第1項・別表第四/復興財確法第28条第2項・第31条第2項
配偶者控除所得税法第83条第1項
平均賃金とそれを基礎にする手当労働基準法第12条・第26条・第20条
法人税の税率法人税法第66条第1項・第2項・第4項/租税特別措置法第42条の3の2第1項・第3項
育児休業給付金雇用保険法第61条の7第6項・第7項
児童手当児童手当法第6条第1項・第3項
自動車重量税自動車重量税法第7条第1項/租税特別措置法第90条の11第1項・第90条の11の2第1項・第90条の11の3第1項
住宅ローン控除租税特別措置法第41条
介護・出生時育児の給付雇用保険法第61条の4第4項・第5項/第61条の8第1項・第3項/同法附則第12条
簡易課税消費税法第37条第1項第1号/消費税法施行令第57条第1項・第2項・第5項
過少申告・無申告・不納付・重加算税国税通則法第65条〜第68条
寄附金控除所得税法第78条第1項
基本手当雇用保険法第22条第1項・第2項/第23条第1項
基礎控除所得税法第86条第1項
高額療養費健康保険法第115条第1項/健康保険法施行令第41条第1項・第42条第1項
高年齢雇用継続給付雇用保険法第61条第1項・第5項
公的年金等控除所得税法第35条第4項/租税特別措置法第41条の15の3第1項
納税義務の免除消費税法第9条第1項・第9条の2第1項
休業補償給付労働者災害補償保険法第8条第1項・第14条第1項/労働者災害補償保険特別支給金支給規則第3条第1項
社会保険料厚生年金保険法第20条第1項・第81条第3項・第4項・第82条第1項/健康保険法第40条第1項・第156条第1項・第160条第1項・第161条第1項/厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令第1条
特定支出控除の特例所得税法第57条の2
在職老齢年金の支給停止厚生年金保険法第46条第1項・第3項

同じ(46本)

同じの道具
道具条番号
青色申告特別控除租税特別措置法第25条の2
不動産取得税地方税法第73条の14・第73条の15
扶養控除所得税法第84条第1項
外国税額控除所得税法第95条第1項・所得税法施行令第222条第1項
配偶者の税額軽減相続税法第19条の2第1項/民法第890条・第900条
配偶者特別控除所得税法第83条の2第1項
配当控除所得税法第92条第1項
平均課税所得税法第90条
本人の事情による所得控除所得税法第80条・第81条・第82条
報酬・料金の源泉徴収所得税法第204条第1項・第205条/所得税法施行令第322条/復興財確法第28条第2項・第31条第2項
法定相続分民法第887条・第889条・第890条・第900条
一時所得所得税法第34条/第22条第2項第2号
医療費控除所得税法第73条第1項
遺留分民法第1042条・第1043条
遺族基礎年金国民年金法第38条・第39条
事業所税地方税法第701条の42・第701条の43
地震保険料控除所得税法第77条第1項
譲渡所得所得税法第33条/第22条第2項第2号
住民税地方税法第35条・第38条・第314条の3・第310条/第37条・第314条の6/第20条の4の2第1項・第3項
純損失の繰越控除所得税法第70条
欠損金法人税法第57条第1項・第11項第1号
国民年金国民年金法第27条・第87条第3項
交際費租税特別措置法第61条の4第1項・第2項
固定資産税地方税法第350条第1項・第351条・第349条の3の2/第702条の3・第702条の4・第20条の4の2第1項・第3項
未成年者控除・障害者控除相続税法第19条の3第1項・第2項/第19条の4第1項
年次有給休暇の日数労働基準法第39条第1項〜第3項/労働基準法施行規則第24条の3
山林所得所得税法第32条・第89条第1項
生命保険料控除所得税法第76条第1項〜第4項
特定一般用医薬品等購入費の医療費控除の特例租税特別措置法第41条の17
傷病手当金健康保険法第99条第1項・第2項・第4項/第102条第1項・第2項/第108条第1項・第2項
障害基礎年金国民年金法第33条・第33条の2
障害者控除所得税法第79条第1項〜第3項
中間申告消費税法第42条第1項・第4項・第6項
消費税の税率と内訳消費税法第29条/地方税法第72条の83
税率所得税法第89条第1項
出産育児一時金健康保険法第101条/健康保険法施行令第36条
相続税額の加算相続税法第18条
相続税の基礎控除と総額相続税法第15条第1項・第2項/第16条/民法第890条・第900条
退職所得の源泉徴収所得税法第201条第1項・第2項・別表第六/復興財確法第28条第2項・第31条第2項
退職所得の分離課税地方税法第50条の3・第50条の4・第328条の3
退職所得所得税法第30条第2項・第3項・第6項
時間外・休日・深夜の割増賃金労働基準法第37条/労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令
予定納税所得税法第104条第1項
雑損控除所得税法第72条第1項
社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除所得税法第74条・第75条
贈与税相続税法第21条の5・第21条の7/租税特別措置法第70条の2の4・第70条の2の5

この時点に無い(1本)

この時点に無いの道具
道具条番号
特定親族特別控除所得税法第84条の2第1項

比べられない(3本)

比べられないの道具
道具条番号
印紙税印紙税法第2条・別表第一第1号・第2号・第17号/租税特別措置法第91条第1項・第2項
障害補償給付労働者災害補償保険法第15条/別表第一・別表第二
登録免許税登録免許税法第9条・別表第一第1号・第15条・第19条/租税特別措置法第72条・第72条の2・第73条・第75条/国税通則法第118条第1項・第119条第1項

現行と過去の時点で、何がどう違うか

下の表は、両方の時点の別表を機械で取り出して比べたものです。人が書き写していません。

基礎控除

現行 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064/2024-04-01 時点 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

基礎控除の時点による違い
見るところ現行2024-04-01 時点
段の数54+1
合計所得金額 10,000,000円のときの控除額580,000480,000+100,000
合計所得金額 23,500,000円のときの控除額580,000480,000+100,000
合計所得金額 24,000,000円のときの控除額480,000480,000同じ
合計所得金額 24,500,000円のときの控除額320,000320,000同じ

特定親族特別控除

現行 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064/2024-04-01 時点 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

特定親族特別控除の時点による違い
見るところ現行2024-04-01 時点

給与の源泉徴収税額(月額表)

現行 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064/2024-04-01 時点 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

給与の源泉徴収税額(月額表)の時点による違い
見るところ現行2024-04-01 時点
表の行数231245-14
課税が始まる額105,00088,000+17,000
200,000円・甲欄・扶養0人の所得税4,2504,670-420
300,000円・甲欄・扶養0人の所得税7,7708,250-480
500,000円・甲欄・扶養0人の所得税27,61029,280-1,670

賞与の源泉徴収税額

現行 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064/2024-04-01 時点 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

賞与の源泉徴収税額の時点による違い
見るところ現行2024-04-01 時点
0%で済む前月の給与の上限(千円)8268+14

給与の源泉徴収税額(日額表)

現行 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064/2024-04-01 時点 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

給与の源泉徴収税額(日額表)の時点による違い
見るところ現行2024-04-01 時点
表の行数205215-10
課税が始まる額3,5002,900+600
10,000円・甲欄・扶養0人の所得税260275-15
15,000円・甲欄・扶養0人の所得税655710-55

給与所得控除

現行 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064/2024-04-01 時点 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008

給与所得控除の時点による違い
見るところ現行2024-04-01 時点
別表第五の行数1,1791,251-72
0円になる収入の上限651,000551,000+100,000
給与収入 1,000,000円のときの給与所得控除後の金額350,000450,000-100,000
給与収入 1,900,000円のときの給与所得控除後の金額1,250,0001,250,000同じ
給与収入 3,000,000円のときの給与所得控除後の金額2,020,0002,020,000同じ
給与収入 6,000,000円のときの給与所得控除後の金額4,360,0004,360,000同じ

所得税法だけを詳しく見ると

上の表は26の法令を機械で突き合わせた結果である。ここから下は、そのうち所得税法だけを詳しく見たものである。

2024年4月1日時点と現行の所得税法を比べたところ、けんざんが使っている条のうち4つの条文が変わっていた(所得税法第86条・第83条・第78条・第84条の2)。しかし答えが変わるのはその一部だけである。

条文答え
所得税法第86条(基礎控除)変わった変わる。3段(48万・32万・16万)から4段(58万・48万・32万・16万)になった
所得税法第83条(配偶者控除)変わった変わらない。第84条の2への参照が加わっただけで、第1項各号の額は同じである
所得税法第78条(寄附金控除)変わった変わらない。第1項の算式(40%の上限と2,000円)は同じである
所得税法第84条の2(特定親族特別控除)当時なかった令和7年度の改正で新設された

比べたのは、第83条第1項各号の額と、第78条第1項の算式だけである。 それぞれの条の全体が答えに影響しないことまでは確かめていない。

別表は5つのうち4つが変わった

別表変わったかけんざんで時点を選べるか
別表第二(月額表)変わった選べる
別表第三(日額表)変わった選べる
別表第四(賞与の率の表)変わった選べる
別表第五(給与所得控除後の金額の表)変わった選べる
別表第六(退職所得控除額の表)変わらない置く意味がないので置いていない

別表第六が変わらないので、退職金の源泉徴収税額には時点を選ぶ意味がない。 変わらないことを確かめたうえで、選択欄を置いていない。

別表第五は変わったが、答えが変わるのは給与収入190万円未満のときだけである。 190万円以上では現行も2024年時点も同じ金額になる。令和7年度の改正は、給与所得控除の最低額を55万円から65万円に上げたものだからである(所得税法第28条第3項第1号)。

190万円未満の差は、一律10万円ではない。 別表第五の区分が4,000円きざみなので、切れ目では10万円ちょうどにならない。千円きざみで測った1,900点のうち、ちょうど10万円だったのは973点である。差の範囲は −100,000円 から +1,800円までで、190万円のすぐ手前では逆向きになる。現行がその範囲を式の行で書き、2024年時点は表の行で書いているためである(所得税法別表第五)。

時点を選べる道具と、選べない道具

表を機械で取り出している道具は、過去の時点も同じ機械で取れる。 書き写す手間がかからないので、時点を増やしても写し間違いが起きない。

いま時点を選べるのは次の6本である。

道具何を時点ごとに持っているか
給与の源泉徴収税額(月額表)別表第二(機械で取り出し)
日額表別表第三(機械で取り出し)
賞与別表第四(機械で取り出し)
給与所得控除別表第五(機械)と、所得税法第28条第3項の算式(人が書き写し)
基礎控除所得税法第86条第1項の段(人が書き写し)
特定親族特別控除所得税法第84条の2の表(人が書き写し)。2024年時点には条文が無い

条文から人が式を書き写している道具は、時点ごとに書き直す必要がある。 給与所得控除の算式は2024年時点とは別物で、収入180万円以下は「収入×40%−10万円、最低55万円」だった(所得税法第28条第3項第1号)。基礎控除は3段から4段になった(同法第86条第1項)。書き直した数が、その時点の条文にあることを機械で確かめている。

特定親族特別控除は、2024年時点には条文そのものが無い(所得税法第84条の2は令和7年度の改正で新設された)。時点を選ぶと「この時点では計算できません」と出す。0円とは出さない。

取り出しの検算は、過去の時点にも同じものが走る

過去の時点の別表も、現行と同じ検算を通している(検算の方法)。表の以上と未満にすき間が無いこと、給与が増えて税額が下がる行が無いこと、式の段が繋がっていることを、時点ごとに確かめている。

改正版IDで、どの条文かを特定できる

e-Gov法令検索は、改正のたびに改正版IDを振っている。たとえば所得税法の現行は 340AC0000000033_20260812_508AC0000000064 である。2024年4月1日時点は 340AC0000000033_20240401_506AC0000000008 である。

けんざんは、計算に使った改正版IDを結果に出している。どの時点のどの条文で計算したかを、読み手が特定できる。

この計算を何と突き合わせているか